こんにちは。
賃貸併用住宅サポートの白岩貢事務所の矢島です。
この記事では賃貸併用住宅の空室リスクについてまとめてみました。さらに一般的な意見だけでなく、60世帯大家であり、400棟以上の新築賃貸物件をサポートしてきた白岩貢のアドバイスも載せています。
賃貸併用住宅にご興味がある方、賃貸併用住宅の存在を初めて知った、これから家を建てようと考えている方はぜひご参考ください。
目次
賃貸併用住宅における空室リスクとは、賃貸部分が一定期間入居者が決まらず、空室状態が続くことを指します。
このリスクは、収入源である家賃が途絶えるため、オーナーの収益に直接的な影響を与えます。特に住宅ローンを活用して賃貸併用住宅を運営している場合、空室が続くことでローンの返済や日常的な維持費を賄うのが難しくなり、経済的な負担が大きくなる恐れがあります。
空室リスクの発生には、いくつかの要因があります。立地条件が悪い場合や、賃貸物件の設計が入居者のニーズに合わない場合、賃貸部分が空室になりやすくなります。また、周辺の競合物件と比較して家賃が高すぎたり、設備が充実していない場合も、入居者を確保しづらくなる可能性があります。
空室期間が長引くと、家賃収入が途絶えるだけでなく、原状回復費や修繕費などの追加負担も発生します。さらに、賃貸部分の老朽化が進むことで、空室状態がさらに長期化するリスクも伴います。このように、賃貸併用住宅における空室リスクは、オーナーにとって経済的な大きな課題となるため、適切な対策が不可欠です。
賃貸併用住宅を最大限に活用すれば、新築の自宅のローンの大部分を入居者の方が払ってくれます。また、ローンが払い終わった後は賃料がまるまる副収入として入ってきます。
まずはどこにどんな物件を造るかをしっかり考えていくことが何よりも重要です。競争力のある賃貸併用住宅を造れば、数十年後も大きな資産としてあなたを経済的に幸せにしてくれます。
下記は私の父が55年前に建てた賃貸併用住宅のオーナーさんの声です。こちらを読んでいただいた上で、この記事を読むと、見方が変わってくると思います。
亡き父親が55年前に賃貸併用住宅をお客さんに勧めて、世田谷に新築した物件です。1階に4部屋のワンルーム、2階は自宅です。55年経っても現在満室です。
オーナーに話を伺いました。と、言っても、ご両親は既に鬼籍入ってまして、70代の長女さんです。
「白岩さんのお父様が両親に提案してくれたおかげで、本当に幸せに生きています。若いころ離婚して、ピアノを教えて生活してました。自営なので国民年金しか入れなく、現在貰える年金は月7万円なので本来は生活が相当苦しい筈でした。
しかし、階下のアパート4部屋から25万近く入ってきます、その上、自宅は無料です。本当に満足しています。」
空室リスクがもたらす最大の影響は、家賃収入が途絶えることです。通常、賃貸併用住宅のオーナーは、賃貸部分から得られる家賃収入を住宅ローンの返済に充てています。
このため、空室が発生すると、住宅ローンの全額を自己資金で賄わなければならなくなり、家計に大きな負担がかかります。また、空室が長期化すればするほど、オーナーの収入は減少し、物件の維持費用や修繕費用も自己負担となります。
特に賃貸部分が老朽化している場合や、設備が入居者のニーズに合っていない場合、空室リスクがさらに高まる可能性があります。物件の古さや競合物件との差別化が図れていない場合、賃料の引き下げやリノベーションが必要となり、さらなるコストがかかります。このように、空室リスクはオーナーにとって収益性を低下させる要因となり、慎重な対策が求められます。
空室リスクが発生する主な要因としては、物件の立地条件、賃貸部分の設備や間取り、そして家賃設定などが挙げられます。
例えば、駅から遠い物件や、商業施設が少ないエリアにある物件は、賃貸ニーズが低くなり、入居者を確保しづらい傾向にあります。また、賃貸部分の設備やデザインが古い場合や、現代の入居者のニーズに合っていない場合も、空室が発生しやすくなります。
さらに、家賃設定が周辺相場よりも高すぎる場合や、競合物件との比較で魅力に欠ける場合も、空室リスクを高める要因となります。これらのリスクを回避するためには、物件の立地や設備、家賃設定などをバランスよく見直し、入居者のニーズに応える物件を提供することが重要です。
空室リスクを最小限に抑えるためには、予防策を講じることが重要です。まず、物件の立地選びは、賃貸併用住宅を成功させるための最も重要な要素です。交通の便が良く、商業施設や学校が近いエリアは賃貸需要が高く、空室リスクが低くなります。
また、賃貸部分の設備や内装を定期的にアップグレードすることで、競合物件との差別化を図り、入居者の確保が容易になります。
さらに、家賃設定についても、定期的な市場調査を行い、適正な価格で設定することが重要です。これにより、空室期間を短縮し、安定した収益を確保することができます。最終的に、空室リスクを避けるためには、柔軟な対応と長期的な視野が求められます。
空室が続けば、住宅ローンを自分で払わなければなりません。しかし、普通の新築住宅を買ったり建てたりすれば住宅ローンを全て自分で払うのは当たり前。空室リスクというマイナスばかり気にするのではなく、賃貸併用住宅のメリットを見て最大限に活用する方法を勉強した方が何十倍も幸せです。
例えば、普通の自宅を建てた場合の住宅ローンで払うはずだったお金の大部分を賃料で賄えます。その分は教育費にしてもいいし、旅行や趣味など娯楽に充ててもいい。または、長期投資をすれば住宅ローンが終わる頃には莫大な資産形成も可能です。しかも住宅ローンなら頭金は不要、つまり自分のお金を使うことなく資産を作ることができるのです。
これが私の本に書いた賃貸併用住宅メソッドです。賃貸併用住宅の活用について書いてありますので、ぜひお読みください。
賃貸併用住宅で空室リスクを最小限に抑えるために、最も重要な要素の一つが立地です。
賃貸需要の高いエリアは、人口密度が高く、住環境が整っている場所が特徴です。交通の便が良く、特に最寄り駅から徒歩圏内であることが大きなポイントとなります。入居者は利便性を求めるため、駅からの距離が短いほど需要が高くなる傾向があります。
さらに、商業施設や学校、病院などの生活に必要なインフラが充実しているエリアも、賃貸物件の人気を支えます。
特にファミリー層向けや単身者向けの物件では、住環境の良さが入居者確保に大きな影響を与えます。静かな住環境、緑豊かな公園の近さ、治安の良さなども、入居者にとって魅力的な要素です。これらの条件を満たす物件は空室リスクが低く、安定した収益を生み出す可能性が高いです。
物件自体の魅力を高めることで、入居者の満足度を向上させ、長期的な安定した収益を得ることが可能です。
まず、物件の設備や間取りの改善が効果的です。現代の入居者は快適さを求め、特にオートロックやエアコン完備、収納スペースの充実など、基本的な設備が整っている物件が人気です。
また、ファミリー向け物件では、広いリビングや子供部屋の設置が好まれ、単身者向け物件では、コンパクトながらも機能的なキッチンや高速インターネット接続が重要視されます。
また、リノベーションや設備のアップグレードも、物件の競争力を高める有効な手段です。例えば、古い物件でもリノベーションを行うことで、見た目や機能を現代的にし、家賃を引き上げることも可能です。具体的には、床や壁のリフォーム、バスルームやキッチンの改修が一般的です。これにより、賃貸併用住宅の賃貸部分の収益性を向上させることができます。
効果的なマーケティング戦略も、賃貸併用住宅の空室リスクを抑えるための重要な要素です。
まず、オンラインプラットフォームを活用して物件をPRすることが有効です。賃貸サイトやSNSを活用して、広範囲のターゲット層に物件の情報を届けます。
特に物件の写真は非常に重要で、魅力的な写真を掲載することで入居者の関心を引きやすくなります。プロのカメラマンに依頼して撮影した、明るく清潔感のある写真を掲載することで、物件の印象を大きく向上させることができます。
また、物件の魅力を伝えるための適切な文章作成も効果的です。物件の特徴や周辺環境、交通アクセス、設備の充実度などをわかりやすく説明し、ターゲット層に響く内容を記載します。
例えば、単身者向けには「静かで利便性の高い場所」「インターネット完備」などのアピールが効果的です。一方で、ファミリー層には「公園や学校が近く、子育てに最適」といった内容が響きます。
家賃設定も、賃貸併用住宅の空室リスクを抑えるために重要な要素です。家賃が高すぎると入居者が見つかりにくくなりますが、低すぎると収益性が下がります。
そのため、定期的に市場調査を行い、周辺の競合物件と比較して適切な家賃を設定することが求められます。また、繁忙期や閑散期に応じて家賃を柔軟に調整することで、入居率を高めることも可能です。
さらに、インセンティブの提供も効果的です。例えば、長期契約を結ぶ入居者に対して家賃の割引を提供したり、入居時の初期費用を軽減するキャンペーンを実施することで、入居者の関心を引きやすくなります。また、特定のシーズンには引っ越し費用の補助や家電プレゼントなどの特典を用意することも、入居率を向上させる有効な手段です。
このように、賃貸併用住宅の空室リスクを最小限に抑えるためには、物件選定から家賃設定、マーケティングまで、包括的な戦略が求められます。
賃貸併用住宅を建てる前にしっかりを立地選びや部屋の企画といった戦略を練ることが大事です。
極端にいえば、都心の人気エリア、駅から徒歩5分以内ならどんな部屋を造っても入るでしょう。
とはいえ、誰もがそこに建てられるわけではないので、しっかりと立地選びをしましょう。
何十年後も競争力のある立地だと判断すれば、次は部屋の企画です。
入居者さんが快適に暮らせるための設備や材料にはお金をかけるべきです。しかし、何でもかんでもお金をかけてしまうと、そもそもローンが通らなかったり、先々の修繕時に多大なメンテナンス費用がかかったりします。そのバランスも大切です。
賃貸併用住宅の空室リスクを最小限に抑えるためには、物件の定期的な点検と入居者ニーズの把握が重要です。設備や内装の劣化は空室の原因となるため、定期的な点検で問題を早期に発見し、修繕することが求められます。
また、入居者からのフィードバックを活用し、住環境や設備の改善点を把握することで、満足度を高め、長期的な入居を促進できます。こうした対応は、物件価値を維持するためにも欠かせません。
賃貸併用住宅の賃貸部屋での空室が続く場合、迅速な対応が必要です。リフォームや内装の改善により、物件の魅力を高めることも重要です。
また、家賃が市場相場と合わない場合は、適切な賃料調整を行い、競争力を維持します。これらの対応を速やかに行うことで、空室期間を短縮し、早期の入居者確保に繋げることができます。
とはいえ、こういったことにならないために立てる前の戦略をしっかり立てることです。その上で、空室を埋める努力を怠らないことが必要です。
賃貸併用住宅で安定した収益を実現するためには、立地選び、物件の魅力向上、柔軟な家賃設定、そして定期的な物件の点検が重要です。
これらの対策を通じて、空室リスクを最小限に抑え、長期的に安定した収益を確保できます。特に、入居者ニーズに合った物件運営や迅速な対応が、空室期間を短縮し、収益の安定化に繋がります。これらを踏まえた計画的な戦略こそ、賃貸併用住宅の成功を支える重要な要素です。
入居者さんとオーナーさん、つまり自分のこと、この両方の立場になって考えていくことが大切です。
私は400棟以上の新築物件をサポートしてきまして、多くの方から相談を頂いていますが、ここを抜いて考えてしまうと取り返しがつきません。相談に来た時点でもう手遅れという方も少なくありません。
ハウスメーカー、不動産屋、銀行、工務店、そしてその営業マン。
その人たちはきちんと入居者さんとあなたの30年後を考えてくれているでしょうか?
この視点を忘れずに、各社からの提案を熟考してください。
必要でしたら白岩貢をセカンドオピニオンとしてご活用ください。
住宅や不動産は、相談をする相手を間違えてしまうと大変な不利益を被ります。
一般の人であるあなたと不動産営業マンやハウスメーカー営業マン、そして銀行員などの間には大きな知識の差があります。相手が自分の成績や上司の方を向いてる場合は、相談者であるあなたにとって不利益になってしまいます。下品な表現をさせてもらうと、あなたがカモにしか見えていない場合もあります。
この20年余りの間に、私の所へ来た相談者の中には、手遅れでどうしようもない状態の方も沢山いらっしゃいました。
私も賃貸併用住宅の大家でもありますので、同じ立ち位置で考えることが出来ると思っています。
セカンドオピニオンとして白岩を活用いただいても構いません。賃貸併用住宅の活用の基礎からアドバイス致します。